あるペンギンの国内近代建築めぐり

主に京都市を中心とする近代建築に関する調査・探訪の記録まとめ。

二條橋 (1)

世界遺産二条城の近くに残る戦前竣工の橋。こういった橋は「京都市の近代化遺産」の産業遺産編で報告されるはずだが、何故か登録されていない。二条橋で検索すると親切なグーグルは東京の二重橋を出してくれたり、鴨川の方の二条大橋がヒットしたりして、堀川の二条橋の情報に辿り着けない。試される検索力。

二条堀川橋は江戸時代後期の浮世絵集「都名所百景」にも取り上げられている名所であった。

2019-01-02 (2)

(画像は佛教大学図書館デジタルコレクション『都名所百景』より)

江戸時代はかなりの水量を誇っていたが、明治以降の度重なる治水工事で殆ど水が流れなくなったり、川自体が暗渠化した時代もあったりした。近年になって地域住民の要望で開渠化して、水の流れも復活したらしい。

橋自体は都百景に描かれた当時のものは残されていないし、橋の土台自体も近年になって建て替えられ欄干部分のみが再利用されている形だが、二条城の前にあることは変わらない。


所在地:京都市中京区矢幡町
竣 工:昭和3年(1928) 
構 造:鉄筋コンクリート造
設計者:不詳
撮 影:2018年8月

たばこ店吉田 (1)

 近代化遺産の報告では、南西角にあると記載されており、外観からもここであったと推測される。2階部分には看板を取りつけるための跡のようなものが見える。

たばこ店吉田 (2)


 1階庇のアーチなど、レトロな要素はあるが、タバコ屋としてのカウンターらしきものが1階に見えないのが気になる。現在は廃業して個人住宅として運用されている?


所在地:京都市中京区上松屋町
竣 工:大正~昭和初期
構 造:木造2階建て
設計者:不詳
撮 影:2018年8月

(2019.02.21追記)
Twitterのフォロワーさんから、この建物が解体されたことを示す画像をいただいたため、解体済としました。

図2
 (Googleストリートビューより)

 近代化遺産では「無表札」として報告されている一件。無表札は情報が少なすぎて特定が難しいが、今回は偶然煉瓦壁を発見できた。

図1
 (Googleストリートビューより)

 過去にさかのぼって、2009年のビューに映っている灰色の建物が「無表札」の本体ではないかと考えられる。現在は住宅が建ってしまっており確認ができない。駐車場から見える明らかに古い時代の煉瓦壁は、北側にあった三越呉服店の煉瓦壁ではないだろうか。

所在地:京都市中京区大恩寺町
竣 工:大正~昭和初期
構 造:木造2階建て
設計者:不詳
撮 影:2018年8月

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