あるペンギンの国内近代建築めぐり

主に京都市を中心とする近代建築に関する調査・探訪の記録まとめ。

2019年01月

近124_沢井振興堂 (2)

近124_沢井振興堂 (1)

2009年~2013年に大幅な改装が施されており、外見は戦前のものと思えないものになっている。近代化遺産に報告が無かったら絶対に気が付かなかった……

2019-01-27
(2009年のストリートビューより)

ストリートビューで辛うじて改装前の姿を拝むことができる。劣化したモルタルが剥き出しのいかにもな建物だった。これなら戦前の建物だと一発で分かるだろう。ここまで大幅にリニューアルされて生き残るパターンは珍しい。近代建築好きの自分が言うのもなんだが、建て替える発想は無かったのだろうか…

所在地:京都市中京区左京町124
竣 工:昭和初期
構 造:木造3階建て
設計者:不詳

杉島法律特許(事) (4)

杉島法律特許(事) (1)

洛中ではあまり見ない形式の洋館である。和洋折衷スタイルなのだが、洋館部分がよく見る直方体タイル型のものではなく、ドイツ破風(はかま越屋根)を冠したものであり珍しい。外壁はモルタル仕上げでシンプルであり、当初のものと思われる窓の形状を見ても大正~昭和初期の住宅と見て間違いないだろう。

山内邸_2
京都の和洋折衷スタイルはこんな感じの直方体洋館部が付属するタイプが多い。


所在地:京都市中京区壺屋町(東洞院通)
竣 工:大正~昭和初期
構 造:木造2階建て
設計者:不詳

小杉英一邸 (3)

かなりの豪邸。和洋折衷ではなく、洋館部分のみで構成されていると思われる。高い位置に少数の窓を配置し、壁はシンプルにクリーム色のスタッコ仕上げで要塞のような印象を受ける。2階建てなのでかなり天井が高いと思われる。

所在地:京都市中京区天守町
竣 工:大正~昭和初期 
構 造:木造2階建て
設計者:京都あめりか屋
撮 影:2018年8月


理容青木 (5)

いかにも美容室といった造りの建物。1階部分を洋風にしている。モルタルを使い、石造りに見せかけている。開業当初はかなりモダンに見えたのだろう。

所在地:京都市中京区東竹屋町425
竣 工:大正~昭和初期
構 造:木造2階建て
設計者:不詳
撮 影:2018年8月

二條橋 (1)

世界遺産二条城の近くに残る戦前竣工の橋。こういった橋は「京都市の近代化遺産」の産業遺産編で報告されるはずだが、何故か登録されていない。二条橋で検索すると親切なグーグルは東京の二重橋を出してくれたり、鴨川の方の二条大橋がヒットしたりして、堀川の二条橋の情報に辿り着けない。試される検索力。

二条堀川橋は江戸時代後期の浮世絵集「都名所百景」にも取り上げられている名所であった。

2019-01-02 (2)

(画像は佛教大学図書館デジタルコレクション『都名所百景』より)

江戸時代はかなりの水量を誇っていたが、明治以降の度重なる治水工事で殆ど水が流れなくなったり、川自体が暗渠化した時代もあったりした。近年になって地域住民の要望で開渠化して、水の流れも復活したらしい。

橋自体は都百景に描かれた当時のものは残されていないし、橋の土台自体も近年になって建て替えられ欄干部分のみが再利用されている形だが、二条城の前にあることは変わらない。


所在地:京都市中京区矢幡町
竣 工:昭和3年(1928) 
構 造:鉄筋コンクリート造
設計者:不詳
撮 影:2018年8月

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