新潟市に残る貴重な古典様式の銀行建築。解体寸前まで話が進んだところを、みなとぴあに移築復元された。
花崗岩を積み上げた外壁に、イオニア式の巨大オーダーを4本持っている。上部はデンティルを配置しており、お手本のような昭和初期の銀行建築といった具合であり威厳を感じさせる。
ギリシャ風の装飾
ギリシャ風の装飾
内部は解放されており、一階はレストラン、二階は貸しスペースとなっている。
吹き抜け構造の営業所区画(現レストラン)が特別に美しい。正面の大扉をくぐり左右の扉を開けて中に入る二重扉の玄関構造は日銀京都支店でも見かけたものである。
二階のステンドグラス
点対称の正方形、ひし形を軸に植物をモチーフに描いており曲線美とは異なる雰囲気をもつ。
当時の遺構
新潟市の中心部には数十件近くのレトロ建築が残されているが、明治期の木造館が多い。絢爛豪華なコンクリート造建築は貴重というかこれしかないレベルなので保存されて本当に良かった。
所在地:新潟県新潟市中央区柳島町2-10
竣 工:昭和2年(1927)
構 造:鉄筋コンクリート造2階建て
設計者:長谷川龍雄
撮 影:2019年9月23日